自損型輸入その52024年01月14日 22時27分41秒

その4より続く。

本書ではデフレの原因は自損型輸入とある。
何につけてもおやつはカール。
ならぬ、何につけても懐疑派が出てくるのである。
景気が良くなると安い中国製が押し寄せてくるというアメリカ。
つまりは景気が良いほど対中赤字が増えるという仕組み。
一方的に中国が売っているのではなく、アメリカ企業が自損型を励んでいるのではないか。
しかし、デフレどころか一時よりは落ち着いたといえども日本からすると相当なインフレだ。
その説明はない。
アメリカの状況を調べるほどの時間がなかったのか。
懐疑派はここを突いてくる可能性がある。

繊維関係は昭和の時代から安い国を転々とすると言われている。
賃金が上がると別のもっと安い国へ移動する。
かつては日本が安かった時代は下請けとして仕事を受けてきたわけだ。
今ではそれが中国やと東南アジアに変わったに過ぎない。

産業の空洞化なども昭和から言われている。
平成になってから自損型になったのか。それは違う。

自損型企業の代表として、ユニクロやニトリ、ワークマンなどが挙げられている。
他は日本向け専業と思うが、ユニクロは世界に売っている。
日本だけを考えると自損型であるが、正確には自損型ではないのだ。
著者は九州在住ということで、そこでの実例を主に取り上げている。
大阪のホームセンタ業界ではコーナンが圧倒的である。
他の店はほとんどない。
九州では店が少ないから挙げていないのか。
コーナンブランドでは中国以外に無いんかという状況だ。
極まれに日本製であること確認すると、日本製もあったのかと驚くほどだ。
コーナンも日本専業と思うので自損型となる。
上記のとおり、地域的には相当なものだ。

100円ショップで売っているプラ容器。
知らなければ、全部中国に違いないと思うだろう。
しかし、いずれも日本製なのだ。
ホビーショーで成形そのものには大して人出掛からないこと確認済。
プラ容器が日本製なのはそういうことだと考える。
ならば模型業界はどうなのか。
前にも書いているが、気になってさらに調べてみた。
まずは全部を確認することは不可能なので調べたのは一部であることを断っておく。

ハセガワは全て日本製の模様。
製造国の表示の横にアルファベットが記載されていることから製造場所が複数あると思われる。
アオシマは安いものは中国でそれ以外は日本のようだ。
これまでに書いてきたようにタミヤは新しめは日本で、古くなるとフィリピンに移管の模様。
フジミや童友社も日本。
バンダイは基本、日本で一部中国。
ウェーブは日本だったが、1/24スコープドッグは中国なのは既に書いた通り。
大手ではない?他は基本中国。
ただし、これまで中国のみだったのが日本に変わっている例もある。
調査結果より模型業界は大手に限定すると国内比率がかなり高いという結論。

輸入物はどうか。ドイツ・レベルはポーランド製。
日本と同じような状況のようだ。
ドイツ専業ではないから、こちらも自損型ではないことになる。
ヨーロッパ事情と言えば。
バイク用品でイタリアブランドを買った。
製造国を見ると。メードインEU.。
EUという国は無いちゅうねん(笑)。
具体的にはどこや。
イタリアだったらイタリアと当然書くわけで。
旧東側だろう。やはり日本と事情は大して変わりない。
しかし、アメリカ同様にデフレではない。
そのような疑問はあるが、本書の内容を否定しているわけではなく、大いに納得している。
世界も日本と大して状況は変わらないのに、デフレではない。
その違いは何か、ということだ。

その6へ続く。