ノーチラス号その1~国産模型第1号2024年07月10日 22時48分46秒

とある店で見かけた中古模型。
それはノーチラス号。

日本プラモデル 001

これを読んでその存在を知っていた。
1958年発売。
メーカー自体は相当前に潰れている。
昭和の時代に新品を売っているのは見たことはないはず。
それ故か、中古を見ても特に感慨はなかった。
正確には見たのは当時物ではなく、復刻品。
倒産したり、撤退したメーカから金型を引き継いで売るのは普通であるらしい。
個人的には昭和の時代にそういうのがあったという記憶がないのだが。

こちらの本は国産プラモデル黎明期から現在までをざくっと語っている。
当然、俺が知っている時代も含まれる。
興味深いがそれはちゃうわ、と思うこともあるのだ。
一つの説ぐらいの感覚で読むべきだろう。

復刻品は50周年と60周年の両方があった。
発売元は童友社。
定価は知らないが、特にプレミアのようなことはないようだ。
調べたらメーカのHPに乗っていた。一応?限定扱い。
ネット上では普通に売っていた。それも結構な値引きしてだ。
定価の設定が高すぎるんちゃうん、との突っ込みはある。
全く感慨はないのは既に書いたとおりだが、ネタとしての興味が湧いてきた。

ノーチラス号 001

ノーチラス号 003

60周年版入手。
童友社によると、完全保存版となっているがタイミング遅れの和平工作が何になる!
と言うギレンの如し。
作ってナンボやろ。
国産第1号とはいかなるものであったか。
また当時の状況はなどと思いをはせるのが正しい楽しみ方だろう。

ノーチラス号 006

ノーチラス号 007

説明書は今の感覚ではあまりに大雑把すぎる。
プラモデルに初めて接した子供はこれで作れたのだろうか。
ランナーに部品場号など無いしな。
意図的に当時のままとされているのだ。
塗装についても記載ある。塗装前提な作りは間違いない。
塗料も同時に発売したはずだがどうなのか。

開発に当たっての事情についての小冊子付。
先の本の記載内容とも重なる。
その後アメリカレベルと技術提携したとある。
正々堂々自社製品をパクった相手から提携の話出た時どう思ったのだろうか。
パクった事実を隠しても、いずれはばれるのは必定なのだから。

おもちゃメーカーであったのが、プラモデルに進出するにあたって、どうしたらいいか
全く分からなかったのでアメリカレベルのこれを完全にパクったのだ。
絵でも彫刻でもまずは模倣から始まる。プラモデルも然り。
しかし、商売では独自性を多少なりとも出さないといけない。
それすら出来るような状況でなかった。
故に完全パクリから始まったということだ。
他でもそうだが、中国にどうのこうの言えるような過去ではない。
あの車とは違う、などと相当後になって正々堂々と言っていた事実もあるわけで。

ノーチラス号 004

キット全貌。
左上の飾り台以外は当時の金型そのまま使っているらしい。
実にあっさりしている。パクリ先と同じ構成のはず。
ということは、パクられたメリカレベルもその程度でしかなかったわけだ。
プラモデルの商標はこの時点で出されており、現在は業界団体の管理とか。

ノーチラス号 005

バリバリ魔シン。ヒケも明白だ。
金型の劣化ではなく、元からやな。
箱を開けると独特の匂い。
離型剤にしては強烈すぎる。何の匂いや。

その2へ続く。