ベルリンガーOH2011年08月17日 23時20分16秒

リアのマスターにはベルリンガーを使用している。
取り付けてから早、数年経過した。
ある日のこと。走行中にリアブレーキ操作したが手応えがない。
足を踏み外したのか?もう一度操作するとやはり手応えがない。
マスターシールの抜けか。前は問題ないので走行には支障ない。
ところがしばらくして操作すると問題なく作動した。
どういうことか?
シール抜けならば進行することはあっても勝手に直ることなどありえない。
またリザーブタンク内のフルードが徐々に減ってきているように見えていた。
釈然としないが、これを機会にOHすることに決定。

部品が出ていれば自分でやるので部品の有無調べる。
ところが部品は存在するが、一般には販売せずメーカーへOHに出せということであった。
というわけでバイク屋経由で費用を問い合わせた。
回答は2万~と高い。現物をばらしてみないと値段はわからないようである。
それはそうかもしれんが、ぼったくられることも考えられる。
場合によっては新品買った方がいい可能性もある。
メーカーとしては面倒なアフターよりも新品を売りたい。そういうことだろう。

部品だけの入手はできないのか。ネットで調べると売っていた。
どういうルートか不明だが、バッタ物でなければ問題ない。

ベルリンガーOH 003

ベルリンガーOH 004

これがシールキット(リペアキット)だ。
プロトのラベルが貼ってある。なんや、普通に買えるんちゃうんか?!
ホンマ意味わからんわ。
自分でやってうまくいかず、揉めたことがあるのだろうか?
ともかく入手できたのであとはやるだけ。
ちなみに4200円と安くはない。

説明書着いているがそれによるとばらすには特殊工具必要とのこと。
まずは丸ナットを外すが、当然工具掛からないのである。
意図的に個人では出来ないようにしてるな!やらしいのう!
どうやって外すか。ギタギタになってもよければパイレンでもプライヤーでもできる。
しかしそんなことは当然しないのである。
方法考えているとしばし時が流れた…
そして方法発見。ついに実行する時が訪れた。

ベルリンガーOH 001

ベルリンガーのマスターとはどういう物か。
通常のマスターとは固定方法が全く異なる。両端をピロボール接続とすることで
全長が伸縮する。
ペダル操作による角度変化をなくし、コントロール性を高めるのである。
そのためサポートを作らないとまず装着は不可能。
ブレーキホースやリザーブタンクへの接続ホースも考えないといけないので
結構、大がかりである。

ベルリンガーOH 002

マスター単体。左に見える丸ナットを外すのが問題である。

ベルリンガーOH 005

外し方はこうだ。キャラバンで使っているパイプクランプフックが使えるのだ。
何気に見えたこの部品。試しに嵌めてみるとぴったり。
思わず今まで悩んだのは何やってんとほくそ笑む(笑)。

ベルリンガーOH 006

分解に成功。丸ナットに傷もない。
外見だけでなく凝っている構造がよくわかる。

ベルリンガーOH 008

シールの新旧比較。何故か色が一部異なる。材質の変更か?
3つあるが先端には二重にして使うので実際は2つとなる。
ということは…

ベルリンガーOH 010

丸ナットにあるダストシールはないのである。ここは替える必要はないのか?
どうしようもないので外すことなくそのまま再使用した。
これがなくともフルードが漏れてくるわけではないが、意味不明である。

ベルリンガーOH 011

シールを替えたら組み立てる。説明書にはピストンの位置を0.5mmにせよとある。
絵では簡単に書けるが実際にはどうやって調整するのか。
そう、丸ナットの締め込みによってピストン位置が変わるのである。
ピストン位置すなわち効き始める位置(遊び)を調整する。
普通マスターにはそのような調整は出来ずに組んだら終わりである。
このことからも異質なマスターであることを主張している。
この位置間違えると遊びが過大になったり、逆に遊びが無くなりブレーキが
引きずるので慎重にしないといけない。
調整できるのはよいが丸ナットの固定する方法はない。
どういうことか。ネジロックで固定せよとなっている。
そんなんでエエのか!?フランス人よ!ロックナットを何故つけないのか?

ベルリンガーOH 012

調整の図。出口の穴より針金を入れて隙間を確認する。
しかし感触だけが頼りなのでイマイチ信頼性に欠ける。
そのため単体での調整は参考程度としフルード注入後に実際ペダルを操作して
調整することにした。

ベルリンガーOH 013

車体に取付けフルードを入れる。そしてエア抜き。
この状態でペダルを動かし遊び調整した。
ナットを締めこめば遊びが減る。逆は増える。ベストと思われるよう調整する。
しかしこの方法では丸ナットの固定はどうするのか。

ベルリンガーOH 014

そこでこれの出番や。後浸透型のロックタイトが存在するのだ。
通常はネジ部に塗布してから組み込むがこれは組み込んだ後で塗布するのである。
軸間などの調整に対して便利なのだ。しかし、出番はほとんどないのであるが(笑)。

取付に当たっての注意点書いておく。
マスターの芯とペダル支点~作用点との線は直角でないと意味がない。
サポート製作に当たってはこれは重要である。
とりあえず付いただけでは駄目である。
両端は車高調となっているので微調整可能である。
俺はさらにレバー比調整できるようペダル側の固定穴を長穴にしている。
これは好みで調整すればよい。
ちなみにマスターのサイズは1/2で9R純正と同じとなっている。
一般的にロード車は1/2がほとんどかと思われるので使いやすい。

作業完了後、確認のため試乗して漏れや作動不良ないことを確認して完成。

その2へ続く。

コメント

_ 金子 智一 ― 2016年08月26日 15時49分07秒

突然のコメント、申し訳ありません。ベルリンガーのマスターのオーバーホールの記事で拝見させて頂きました。

私もベルリンガーのマスター(Fブレーキ&クラッチ)をオーバーホールしようと考えておりますが、オーバーホールキットしかないよとメーカーとショップからけちょんけちょんに・・・ シールキットをどこで購入したかを聞きたく、ずうずうしいかと思いますがお尋ねしたしだいです。お手数ですが教えていただけると幸いです。

_ ルイージ ― 2016年08月27日 19時40分45秒

コメントありがとうございます。

本体を買ったときはデビルが輸入元でした。
最初のシール交換したときもデビルだったと思いますがプロトのカタログに
載っていたのでプロト経由で入手しました。

その後デビルは潰れたらしく、現在はプロトが輸入しているようです。
プロト扱いなのでバイク屋でも用品店でも入手できます。

プロトでは補修品のばら売りはありませんが、メーカーがそうしているからと
思います。
向こうではばらで買えるかどうかは確認していません。

補修品一切出さないブレンボとは違って補修品入手出来ます。
@Pと同じく、その値段は激高ですが。

命に関わるので自信なければ業者に頼むのが賢明です。
自分でやると部品代だけですが、業者に依頼すると丸ごと買った方が安い可能性あります。
部品買えても新品と同じとはなりませんし。
ですのでどっちが良心的なのかは判断が分かれるでしょう。

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